技術開発競争の先陣争い

 クルマの先行開発では、多くのエンジニアが ”世界初の新技術” を目指して日々の開発に取り組んでいます。技術の中身やタイミング、定義によっては物議をかもすことの多い ”世界初” ですが、ここではタイミングについて思うことを述べます

 一般に、世界初の名乗りを上げる目安はクルマの ”発売日” です。ところが、発売日に似た言葉が多いので、調べる時に混乱します。”公開日”、”発表日”、”予約開始日” 、”納車開始日”は発売日とは違うようです

 最近多い、新車の「事前チラ見せ」や「発表日と発売日のズレ」

 ”発売日の定義” について、自工会や自販連のHPを見ても記載を見つけられなかったので、ネットで色々な方のご意見を参照し、勝手ながら「販売店に新車が展示され、来場した不特定の顧客が注文できるようになる日」と解釈しました

 ところがテスラのようにネット販売がメインの場合、前述のような ”発売日” のイベントがありませんサイバートラックは、2023年12月1日が ”予約開始日” 、2024年12月1日が ”納車開始日” です。

 販売店の店頭に新車を並べる ”発売日” のイベントが無いので ”納車開始日” が ”発売日” に最も近いイベントになります。

 SONY-ホンダの共同開発車 AFEELAも、ネット販売を検討中との記事もありますので、今後、”世界初” や ”日本初” タイミング ”納車開始日” に移行していく可能性があります。

 ただし ”納車開始日” については、開発が未完成な状態にも関わらず、身内にだけ少量台数を納車し、 ”納車開始” を宣言する図々しいケースも考えられます。

 他の予約済みのお客さんには「順番待ち」で待ってもらい、その間に遅れていた開発を間に合わせてしまえば誰も気づきませんし、身内に先行納車したクルマに不具合が生じても、内密に修理や交換してしまえば良いわけです

 従来の店頭販売においても、メーカーが車両の ”発売” を宣言したにも関わらず、クルマが店頭に姿を見せず、一般ユーザーが購入できた形跡が無いというケースもありますので、カーメーカーのモラルの話なのかも知れません。

 ヘッドライトの世界も ”世界初” や ”日本初” を巡る開発競争は多く、カーメーカーによるプロパガンダが繰り広げられたりしますので、別の機会にまとめて紹介したいと思います。

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