きらきら光る、スワロフスキー・ヘッドライト

 スワロフスキー・クリスタル(Swarovski)というブランドをご存知でしょうか? 1895年創業のクリスタルガラスを製造するオーストリア企業が立ち上げたブランドで、世界170ヵ国以上、2800店舗以上を展開しています。空港で良く見かけるブランドショップで「ダイヤは高くて買えないが、スワロフスキーならお土産にどうかな」と思った諸兄は多いのではないでしょうか。

 ところでヨーロッパの高級車では、ヘッドライトにスワロフスキー・クリスタルを組み込むことがあります。冒頭の2014年ベンツSクラス・クーペや、2022年BMW i7です。LEDの調光とクリスタルガラスのキラキラ感の組み合わせはシャンデリアを彷彿とさせます。

 ガラスといえども高価なスワロフスキー・クリスタルを採用する一番の理由は高級デザインですが、ヘッドライトの眩しさを和らげる理由もあるようです。2014年10月12日のレスポンス記事によれば、Sクラス・クーペ発表にあたり、ダイムラー社乗用車エクステリアデザイン統括のロバート・レズニック氏が、「LEDヘッドライトを点灯すると、まるで“刺すような”照射になる。それを和らげたいと考え、スワロフスキーを付けることにした」と機能上の理由で採用したと説明しています。

【メルセデスベンツ Sクラス クーペ 発表】ヘッドライトに47個のスワロフスキー、ウインカーに30個のクリスタル

 点で光る物体は距離感を掴み難く、面で光る物体は距離感を掴み易くなります。近頃のヘッドライトがロービームやハイビーム以外に、ポジションライトが様々な形状で光っているのも、そういった安全性に寄与しているのかも知れませんね。

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