前照灯の歴史と進化を時系列に纏めています。取り上げる前照灯と技術の選定基準は ”量産車への初採用” としていますが、トピックスと思しき標識灯やその他の技術も備忘録的に取り上げています
青アンダーラインは法制化トピックです
~1900年
前照灯の起源、馬車用のランタンやロウソク
時代は明治の前半に遡ります。1853年ペリー来航を機に鎖国を解いた日本は、西洋から馬車や汽車、ガスや電気などの技術が持ち込まれ、人々の生活が大きく変わろうとしていました。馬車や汽車は移動の自由をもたらし、ガス灯やアーク灯は夜間の経済活動を可能にしました
昼夜を問わず大勢の人が行き交う新たな交通社会の出現に対し、明治政府は様々な交通ルールを設けます。馬車や人力車は夜間に灯具を点灯するよう定め、明治後半に登場する自動車にも同様のルールを設けました

https://www.bajibunka.jrao.ne.jp/uma/event/event_20220204_2.html
ランプ付き馬車 歌川貞秀《横浜休日亜墨利加人遊行》 文久元年 1861年

https://jinrikisha-service.com/%E4%B8%AD%E5%8F%A4%E4%BA%
BA%E5%8A%9B%E8%BB%8A%E8%B2%B7%E5%8F%96/
提灯付き人力車 明治時代製造
初期の自動車灯具
1886年にガソリン内燃機関の3輪自動車 ”Benz-Patent-motorwagen” と、同4輪自動車 ”Daimler motor Carriage” がドイツで誕生します。初期の試作車両に灯具はありませんが、走行中の写真に灯具を確認することができます


左 Model1:1885-1886 右 Model3:1886-1894、灯具を装着
最初のガソリン内燃機関自動車 Benz Patent Motorwagen


左:Daimler Motor Carriage 1886年 右 ランプ拡大、側方や後方からも見える構造
最初のガソリン内燃機関4輪自動車 Damiler Motor Carriage、灯具を装着
米国ではジョージ・セルダンが内燃機関自動車を1877年に発明したと主張して特許を取得、後にセルダン特許紛争が起きます。写真のセルダンが乗る車両は灯具を装着しています

https://justacarguy.blogspot.com/2011/08/variety-of-interesting-things-found.html
1899年に自動車の最高速度は100km/hに到達しますが、灯具はロウソクやランタンで明るさが不足していた為、夜間の高速走行は危険な行為でした
初期の自動車用電球ランプ
1879年、米国トーマス・エジソンが実用的な白熱電球を発明します。初期の電球はカーボン・フィラメントで振動に弱く、高出力な前照灯用途には不向きでした
1896年、英国の馬車メーカー ”スロップ&メイブリー社” が英国王室に献上した電気自動車は、車内に3個の電球を備えています。電気は床下の蓄電池から供給されました

Thrupp and Maberly社 ビクトリア型電気自動車
1898年、米国 ”Columbia Electric Car社” は電球式ランプをランタンの上位オプションとして販売しました。同年代の別の電気自動車にもランタン型の電球式ランプが装着されています


左:Riker Electric Automobile 右:電球式ランプ 拡大
国立米国歴史博物館、1900年頃の車両
前照灯に電球が使用されるようになるのは約10年後、タングステン・フィラメントが開発され、明るさや寿命、耐振動性が向上してからになります
1900年~1910年
アセチレンガス灯の前照灯が登場
19世紀後半にアセチレンガスの安価な生産方法が確立されます。ロウソクやランタンと比較してアセチレンガス灯は10倍以上明るく、自動車の前照灯(HL:Head Lamp)に使用されるようになります
初期のアセチレンHLの明るさは数百カンデラ、照射距離は10m程度でした。やがてレンズやリフレクタと組み合わせて集光が出来るようになり、明るさは数千カンデラ、照射距離を数10m先に伸ばすことが可能になりました。前照灯として求められる明るさを実現したのはアセチレンHLからになります


1902年 Mercedes Simplex 40PS アセチレンHL
アセチレンHLは1908年のT型フォードに搭載され、1900年代後半から1910年代半ばにおける主流のHLでした。尾灯や側方灯はロウソクやランタンが使用されました
03年 日本初の自動車取締規則 夜間無灯通行禁止「愛知県 乗合自動車営業取締規則 県令第61号」
07年 日本初 国産ガソリン車、吉田号タクリー アセチレンHL

https://www.jsae.or.jp/autotech/1-1.php

https://jaa2100.org/entry/detail/041317.html
左:タクリー1号車 右:タクリー4号車
08年 世界初 電球式ランプキット(ヘッドランプ、サイドランプ、リアランプ)
Pockley Automobile Electric Lighting Syndicate
08年 世界初 レンズ&リフレクターの集光型アセチレンHL、WMI(現Hella・Forvia)

アセチレン・サーチライト “SYSTEM HELLA”
09年 日本 ライセンスプレートランプ装着義務付け
09年 世界初 タングステン電球式HL、ロールスロイス
1910年代
電球式HLが普及、眩しいHLの規制が始まる
1910年代は第1次世界大戦により欧州の自動車産業は停滞し、米国がリードするようになります。それまで使われていたアセチレンHLとランタン尾灯は、点消灯の度に運転手が車両から降り、各灯具の着火や消火を行う作業が必要でした。電球式ライトは点消灯が格段に容易になることから、キャディラック等の一部高級車に搭載されると、瞬く間に大衆車にも搭載されるようになります
1915年にT型フォードが電球式HLを標準搭載し、尾灯などの灯具も電球へ置き換えられていきます
電球式HLは格段に明るくなり、最大光度は2万カンデラを超え、100m以上遠方を照らすことができるようになった反面、対向車や歩行者の眩しさが社会問題化します。1915年のマサチューセッツを皮切りに、米国主要都市は眩しいHLの使用を禁止するようになります
HL規制に対応する為、1915年にキャディラックがHLを下側に傾けることが可能な機械式HLを開発します。これが初のすれ違い用前照灯(ロービーム)と言われ、ビュイックやオールズモービル等もハイビーム減光システムや明るさを抑えた副灯を装着するなどしてHL規制に対応しました
12年 世界初 車両電気システムと一体化された普及型 電球式HL、Cadillac

Cadillac Model30 Tourer 1912年式
14年 世界初 2輪向けタングステン電球式HL、Indian Hendee Special

https://www.mecum.com/lots/392616/1914-indian-hendee-special/
15年 米国 マサチューセッツ州が配光法規制定
15年 世界初 ハイ/ロー切替HL(機械式)、Cadillac、Guide Lamp Company
17年 世界初 車室内レバー操作式ハイ/ロー切替HL、Cadillac Type55

Cadillac Type55 Dipping headlamp system
18年 世界初 尾灯、方向指示灯
19年 世界初 自動車用ヘッドライト専用工場、CIBIE
1920年代
ハイビームとロービームを使い分けるマルチビーム方式が定着
電球式HLが一般化し、対向車の有無や交通シーンに応じてハイビームとロービームを使い分ける方法が定着します。対向車への防眩と前方視界の最大化を両立するために、複数のビームを使い分ける方式を ”マルチビーム方式” と呼びます
1924年にハイビーム用フィラメントとロービーム用フィラメントを1つのバルブに搭載した2灯式電球が開発されると、1つの灯具でハイビームとロービームを切り替えることが可能になります。必要な灯具数を減らすことができるため、多くの車両で使用されるようになります
24年 世界初 ダブルフィラメント式ハイ/ロー切替バルブ Bilux Bulb、Bosch & Osram

オスラム BiLuxバルブ広告 1929年
26年 世界初 淡黄色フォグランプ、ルマンレース用、CIBIE

27年 世界初 足踏み式・ハイビーム/ロービーム切替システム
29年 世界初 トリプルフィラメント式ハイ/ロー/スモール切替HL,イスパノスイザ32CV H6b

https://toyota-automobile-museum.jp/archives/car-database/detail.html?id=301
1930年代
照明技術の探求と実現:ミドルビーム、フォグランプ、黄色HL等
対向車への防眩と前方視界の最大化を両立する難題に対し、様々な照明技術が研究されました。マルチビーム方式のミドルビームや、悪天候時に視界を確保するフォグランプが実用化され、有色光の研究成果からフランス政府は黄色HLの装着を義務化します
1930年代の後半に高反射率リフレクタの大量生産を可能にする真空蒸着技術が確立します。1939年にGEがシールドビームの前身となる ”メタルバック式シールドビーム” を実用化します
33年 世界初 トリプルフィラメント式ハイ/ミドル/ロービーム切替HL、Packard

https://hymanltd.com/vehicles/6253-1934-packard-twelve-coupe/
34年 世界初 ダブルフィラメント式ハイ/ミドル/ロービーム切替HL、Nash

https://en.wikipedia.org/wiki/Nash_Motors#/media/File:Nash_4-Door_Sedan_1934.jpg
ミドルビームは助手席側HLのみをハイビームに切り替える
35年 世界初 REFスイブル式・追加ロービーム、Tatra
36年 世界初 リトラクタブルHL、Cord 810/812


車室内の左右にあるハンドルを廻してHLを開閉
37年 フランス 前照灯の黄色光を義務化
38年 世界初 フォグランプ、Cadillac
39年 世界初 シールドビームHL、Calillac series 62、General Electric
1940年代
単一規格HLを大量生産する時代へ
欧州で第2次世界大戦が始まり戦線が拡大する中、米国は1940年にHL規格を7インチ丸形に一本化する決定を行います。当時のHLは寿命が100h程度で交換頻度の高い消耗部品でしたが、前年に米国で開発されたシールドビームは寿命が300hに向上し、これを大量生産することで低コストと安定供給の実現を目指しました
第2次世界大戦終了後も米国の前照灯規格は維持されます。HLのバリエーション展開は停滞しましたが、この時代から車体は曲面基調に変化し、HLは車体デザインの一部として取り込まれていきます
40年 米国 7インチシールドビーム規格化(~83年)、Low/High:30W/40W、Max75000cd/台
42年 世界初 電動開閉式リトラクタブルHL、クライスラー デソート・クラブクーペ

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:42_DeSoto_Custom_Club_Coupe_%289338602115%29.jpg
47年 世界初 非対称ロービーム、CIBIE
47年 世界初 ステアリング連動式・センターハイビーム、Tuckar Torpedo

https://money.cnn.com/galleries/2011/autos/1112/gallery.barrett-jackson-rare-cars/3.html
中央ライト:Cyclops-Eye
1950年代
シールドビームの国産化が進む
この時代の米国自動車産業は黄金期を迎え、車両の大排気量化と高機能化が進みます。米国政府はシールドビームの照射性能を引き上げ、前照灯装着数を2灯のみから4灯も可能にするなどバリエーションの拡充が行われます
日本の自動車産業は1949年にGHQが自動車生産を解禁した後、外国ブランドのノックダウン生産を開始します。HLメーカーはシールドビームの内製化に取り組み、東芝と小糸製作所は製造難易度が高いものの高性能なオールグラス・シールドビームの生産を開始します。スタンレー電気はコスト競争力に優れるメタルバック・シールドビームの生産を開始します
52年 世界初 自動ハイ/ロー切替HL(Autronic Eye)、Cadillac models、Guide

54年 米国 7インチシールドビーム出力引き上げ、Low/High:30W/40W ⇒ 40W/50W
54年 世界初 自動レベライザー(サスペンション連結リンク)、Panhard Dyna Z、CIBIE

https://www.lanemotormuseum.org/collection/cars/item/panhard-dyna-z-1954/
56年 アメリカ 前照灯のメカニカルエーミングを導入
57年 アジア初 シールドビーム生産販売開始、小糸製作所

https://www.koito.co.jp/100th/eng_pc/chronicle/90_years.pdf
57年 米国初 ハイ/ローHL + ハイHLの4灯HL、Cadillac
57年 米国初 ハイ/ローHL+ハイHLの縦積み4灯HL、Nash Ambassador
57年 米国 オールウェザー型前照灯を規格化、上方10°~90°:125cd以下
58年 米国 4灯式シールドビーム(丸形) 規格化
58年5月 日本初 4灯式メタルバックシールドビーム、スタンレー電気

https://www.stanley.co.jp/company/100th/chapter2.html
1960年代
高輝度長寿命のハロゲンバルブが登場
1962年、欧州で白熱バルブに沃素等の不活性ハロゲンガスを高圧封入したハロゲンバルブ(H1バルブ)が開発されます。フィラメントから蒸発したタングステンを再びフィラメントに戻すハロゲンサイクルによりバルブ内壁の黒化を軽減し、最大2倍の明るさと約1,000hの長寿命化が可能になりました
米国はシールドビーム規格を維持し、従来の白熱バルブ以外の光源を認めなかったことから、以降のHL開発は欧州がリードするようになります
60年9月 世界初 角型HL、Ford Taunus P3、Hella
60年10月 日本 保安基準改定 すれ違いビーム距離 15m→30m、走行ビーム距離 50m→100m
60年10月 日本初 自動ハイ/ロー切替HL、いすゞ ヒルマンミンクス、松下電器産業

ヒルマン ミンクス Hi-Style PH400型 オートビーム・チェンジャー
62年 世界初 ハロゲンバルブH1発表
67年 米国 FMVSS108公布
67年 世界初 ステアリング連動式HL、シトロエン DS
67年 日本初 リトラクタブルHL、トヨタ 2000GT、小糸製作所

https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60012817/index.html
68年 米国 ヘッドライトカバー禁止
69年 世界初 プロジェクターHL、Dodge Super-Lite(追加ライト)、クライスラー&シルバニア
1970年代
H4ハロゲンバルブの普及
1960年代後半に欧州でH4ハロゲンバルブが開発されます。ハイビームとロービームを1つの灯具で切り替え可能なダブルフィラメントを有し、それまでにない明瞭なロービーム・カットラインを形成できることが特長です。1971年に欧州でH4ハロゲンバルブが認可された後は、欧州を中心に採用が急拡大します
米国では、NHTSA(運輸省道路交通安全局)がH4ハロゲンバルブを認めない一方、ほぼ同形状の ”HB2” ハロゲンバルブを新たに規格化します。これにより、米国車もバルブ交換式シールドビームにおいて、ハロゲンバルブを装着することが可能になりました
米国NHTSAはHL光源の性能向上に合わせ、シールドビームの配光性能上限値を引き上げる改訂を実施します
71年 欧州 ハロゲンバルブH4 規格化 ハイビーム最大光度引き上げ 112,500cd/片側
71年5月4日 世界初 LED-HLコンセプトイラスト、The Wall Street Journal

72年1月 米国 2灯シールドビーム出力引き上げ、Low/High:40W/50W ⇒ 50W/60W
72年2月 日本初 シールドビーム用ハウジングの樹脂化、トヨタ ニューパブリカ、東芝電気
73年12月 日本 改正保安基準 すれ違いビーム視認距離 30m → 40m
74年 米国 角型2灯、角型4灯シールドビーム規格化、認可
76年 北欧 HLクリーナー義務付け
78年 米国 ハイビーム最大光度引き上げ 75,000cd/台 → 150,000cd/台
78年 日本 沖縄の通行区分を左側通行に変更
79年7月 日本初 異形HL、日産 スカイライン 、小糸製作所

1980年代
シールドビームから異形HLへ
1983年に米国のシールドビーム義務化が終了し、カースタイリングに合わせてHL形状を個別設計する ”異形HL” が主流になっていきます。当時のトレンドはフロントノーズを低く抑えたエアロダイナミクスデザインで、それを実現する為に発光部が小さいプロジェクタ光学系やリトラクタブルHLに人気が集まりました
日本では異形HLへの移行に伴い、HL材質はそれまでの金属とガラスから軽量で形状自由度の高い樹脂材への置き換えが進みます。欧州や米国で樹脂材が本格的に使われ始めるのは1990年代からです
81年9月 世界初 樹脂レンズHL、トヨタ カリーナ、小糸製作所


83年3月 世界初 2輪用リトラクタブルHL、Honda Spacy125 striker

83年7月 米国 異形ヘッドランプが許可される
83年9月 (確認中)パラレルライズアップHL 日産 フェアレディZ
83年10月 米国 ハイマウントストップ義務付け
84年 1937年以降で米国初 電球交換式HL(HB1/9004)、Lincoln Mark VII
84年12月 世界初 オール樹脂製異形HL、トヨタ ソアラ、小糸製作所


86年6月 世界初 プロジェクター式ロービームHL、BMW7series、Bosch & Hella

86年10月 世界初 LEDハイマウントストップランプ、日産 フェアレディZ後期、市光工業

HMSL灯具は市光工業製、LEDはスタンレー電気製
87年8月 日本初 プロジェクター・ロービームHL、日産 スカイラインR31後期、市光工業

88年5月 世界初 4灯式プロジェクター・HL、日産 シルビアS13(オプション)、市光工業

88年9月 世界初 標準搭載4灯式プロジェクターHL、日産 セフィーロ

89年9月 世界初 クリアレンズ・MRヘッドランプ、ホンダ アコード、スタンレー電気

1990年代
クリアレンズが普及、HIDの登場
多様化するカースタイリングに対し、HLレンズの光学ステップでは光を制御できないケースが増えてきた為、リフレクタやプロジェクタユニットによる光学制御が主流になっていきます。レンズはクリア化され、剥き出しになったHL内部の造形は意匠部品としてデザインされるようになります
1991年にHID光源がBMWに初搭載され、日本では1996年から導入が始まりました。HIDは点灯回路が複雑でコストが高いという問題はあったものの、ハロゲン比で約3倍の圧倒的な明るさを誇り、高級車を中心に採用が拡大していきます
90年1月 西ドイツ HLレベリング義務化
90年1月 世界初 オンボード式エイミングHL、トヨタ ランドクルーザー、小糸製作所

90年7月 日本初 発光グリル、日野自動車 セレガ、小糸製作所

90年 カナダ DRL義務化
91年 世界初 レースカー用HID‐HL、日産 R91CP、市光工業
91年 世界初 HID‐HL、BWW 7series(ロービーム,オプション)、Hella & Bosch

93年9月 世界初 高効率ハイパーハロゲン・Raybrig、スタンレー電気

95年 世界初 ネオン管HMSL、FORD Explorer、オスラム・シルバニア

95年10月 日本初 アフターマーケット用HID、BELLOF JAPAN
96年 世界初 直流点灯式HID‐HL、Lincoln Mark VIII、オスラム・シルバニア
96年6月 日本初 HID‐HL、三菱自動車工業 スーパーグレート、スタンレー電気

https://www.stanley.co.jp/company/100th/chapter5.html
96年8月 日本初 乗用車向けHID-HL、日産 テラノ、小糸製作所


97年 米国 ビジュアルエイミング認可
99年1月 世界初 脱着式樹脂レンズHL、トヨタ ビッツ、市光工業

99年3月 世界初 2灯式HID‐HL、Benz CL
99年6月 日本初 LEDリアコンビネーションランプ、日産グロリアY34、市光工業

99年10月 世界初 LED-HLコンセプトカー、FORD 021C

https://www.motortrend.com/vehicle-genres/1999-ford-021c-concept-details-history-photos/
?galleryimageid=61fe2374-2254-4985-8cf5-2fbe5ab5d87e
2000年代
配光可変ロービームの採用拡大、白色LEDの登場
2003年に欧州で配光可変ロービームのAFS(Adaptive Front lighting System)が法制化されます。カーブで光軸を進行方向に向けることが出来るようになった他、車速や天候に応じて複数のロービーム配光を自動で切り替えることも可能になりました
HLデザインは素通しレンズが当たり前となり、発光形状でブランドイメージをアピールする取り組みが盛んになります。2000年代前半は多眼化や細幅化、リング状のポジションランプ(BMW:Angel eye)等が登場しています
2000年代後半は白色LEDの実用化が始まります。2005年にアウディがDRL、2007年にレクサスがロービームに初めて採用しました。白色LEDは熱を放射しないので樹脂材との相性が良く、特にポジションランプの発光形状の多様化に貢献しました
00年1月 世界初 LEDリアランプ、日産 ティーノ、スタンレー電気

00年2月 世界初 アフターマーケット用発光部移動式Bi-HIDバルブ、BELLOF JAPAN
00年8月 日本初 パラボラ2灯式HID‐HL 三菱自動車工業 パジェロ、小糸製作所

01年3月 世界初 2輪向け4灯式HID‐HL、ホンダ ゴールドウィング、スタンレー電気

01年5月 世界初 複眼HID-HL(ガトリングビーム)、日産 シーマ、スタンレー電気


上段の7眼発光部が「ガトリングビーム」、HID1灯
02年8月 日本初 プロジェクター&リフレクタHL、日産 フェアレディZ、小糸製作所
02年12月 世界初 2輪向け複眼HL、ヤマハ YZF‐R6、スタンレー電気

片側2眼 ハロゲン・ガトリングビーム
03年2月 世界初 スイブル式 AFS‐HL、トヨタ ハリアー、小糸製作所

https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/car/id60012014/index.html
03年5月 国内初 LEDリアフォグランプ 富士重工業 レガシー、小糸製作所

03年5月 世界初 ラインビームHL、ホンダ CBR600RR、スタンレー電気

https://www.honda.co.jp/factbook/motor/cbr600rr/200705/021.html
03年6月 世界初 4輪向けラインビームHL(高さ40㎜) ホンダ インスパイア、スタンレー電気

03年6月 世界初 REF可動式スイブルAFS-HL ホンダ ステップワゴン、スタンレー電気

03年7月 世界初 レーザー溶着工法フォグランプ トヨタ RAV4、小糸製作所

04年7月 世界初 水銀フリーHID-HL、トヨタ ポルテ、デンソー&小糸製作所

https://www.gtnet.co.jp/catalog_etc/00100_01500/200408_01502.html
05年3月 世界初 LED-DRL-HL、Audi A8 Quattro 6.0L、Hella


5-pointed type star front lights
06年9月 世界初 赤外線&ハイビーム切替えプロジェクタ、Lexus LS460、小糸製作所

07年5月 世界初 LED‐HL、Lexus LS600h、小糸製作所

08年4月 日本初 水銀フリーHIDバルブ量産、トヨタ マークX、東芝ライテック

https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-MARK_X/200910/10058400/
08年5月 世界初 フルLED-HL、Audi R8、Automotive Lighting

08年10月 米国初 フルLED-HL、Cadillac Platinum、Hella

09年4月 世界初 ロービーム可変アダプティブハイビーム、Benz E-class、Hella


2010年代
配光可変ハイビームの採用拡大、レーザー登場、LEDの普及
2011年、欧州で配光可変ハイビームのADB(Adaptive-Driving-Beam)が法制化され、眩しさを与えないハイビームが可能になりました。初期のADBは光軸スイブルと、ユニット内部の遮光板を可動して配光を制御するメカ方式が主流でしたが、以降はメカレスのLEDマトリクス方式に置き換わっていきます
2014年にレーザーハイビームが実用化されます。以降、欧州の一部高級車に高速走行時の追加ハイビームとして搭載されるようになります
LEDは性能向上と低コストが進んだことで、HIDは全てLEDへ置き換わり、ハロゲンや白熱電球も一部廉価仕様を除いてLEDに置き換わりました
10年2月 世界初 カットオフ左右駆動型ADB、VW Touareg、Hella

10年12月 世界初 REF式LED‐HL、日産 リーフ、市光工業

11年2月 欧州 DRL義務化
11年3月 欧州 ADB認可
11年10月 日本 ADB認可
12年2月 世界初 2輪向けLED-HL、Ducati Panigale 1199 S tricolore

https://www.motorcycle.com/specs/ducati/sport/2014/panigale/1199-s/detail.html
12年7月 世界初 LED-ADB‐HL、BMW 7seires
12年12月 日本初 ADB‐HL、Lexus LS、小糸製作所

12年12月 日本初 ガソリン軽自動車用LED-HL、ダイハツ ムーブ、小糸製作所

13年3月 世界初 公道走行可能なレーザーHL、SimDrive Sim-Cell、スタンレー電気


13年6月 世界初 標準搭載LED-HL、トヨタ USカローラ、小糸製作所

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:2014_Toyota_Corolla_S_(1.8,_CVT).jpg
14年6月 世界初 レースカー用レーザーHL、R18e-tron、Audi

14年10月 世界初 レーザーハイビーム、アウディ R8‐LMX、AL(現マレリ)
14年11月 世界初 LED1灯式バイファンクションLED‐HL、トヨタ プリウスα、小糸製作所

15年1月 世界初 ソケット型標準LED(ポジション用)、アルファード30系、市光工業

https://toyota.jp/ucar/catalog/brand-TOYOTA/car-ALPHARD/201501/10095416/
2015年1月7日 日本初 LEDアレイADB、マツダ アテンザ/CX-5、小糸製作所/スタンレー電気


左:アテンザ 右:CX-5
18年 世界初 カメラベース制御Laser-HL、BMW、Automotive Lighting
18年3月 世界初 130万画素 DLP-HL、Daimler Benz mybach、Automotive lighting

Source ; Mercedes-Benz https://group.mercedes-benz.com/innovation/specials/geneva-2018/digital-light.html
19年9月 世界初 スキャン式ADB、Lexus RX、小糸製作所

https://www.koito.co.jp/global-image/news/pdf/2019090913120016547937145d75d1101a859.pdf
19年10月 日本初 ディミング・ターンシグナルランプ、マツダ CX-30、スタンレー電気

https://www.mazda.co.jp/cars/cx-30/?_ga=2.65441134.1542862890.1709718429-1085836409.1708221030
2020年代
T.B.C
20年4月 日本 オートライト義務化(継続生産車は21年4月)
21年5月 世界初 RGB-LEDディスプレイランプ Hiphi-X

Front : RGB-LED Display、Rear:Red-LED Display
22年9月 日本初 歩行者スポット照射機能付きADB、マツダCX‐60、スタンレー電気


22年2月 北米 ADB法制化
22年12月 世界初 高解像LED‐ADB、ポルシェ カイエン、FORVIA
23年10月 世界初 レーザーテールライト、BMW M4 CSL
