車両照明機器で世界シェアトップの小糸製作所が ”LiDAR開発” で迷走しています。数億ドルを米国スタートアップのCEPTON社に投資し、自動運転時代の新たな収益源確保に向けた ”肝煎りプロジェクト” と思われていましたが実態はアウトプットに乏しく、ステークホルダーの期待を裏切る状況が続いています

小糸LiDAR 左から短距離/中距離/長距離 2023年

CEPTON社 LiDARの点群データ
直近のLiDAR事業の赤字は年間100億円近くに達し、各種評価損は200億円を超えていますが、2026年3月期の決算資料ではLiDAR事業の売上は僅か6億円に過ぎません。そして今後は開発体制を大幅に縮小し、過去の投資は減損で整理する方針が示されました
小糸はLiDAR事業の停滞理由を「自動運転の遅れによるOEMの方針変更」としています。しかし当初から小糸は主要ターゲットを自動運転ではなくADAS(先進運転支援システム)と説明していた為、自動運転の遅れという理由には違和感を覚えます

2021年のCEPTON資料、主要ターゲットはADAS
CEPTONの技術力にも疑問符が付きます。現在のADAS車両にはValeo、Luminar、Innoviz、RoboSense、Hesai等のLiDARが搭載されています。小糸とCEPTONの共同開発LiDARは他社LiDARに劣後していたことになります
テスラを代表とするLiDAR不要派が勢いを増す中で、国内では三菱電機、パイオニア、京セラ、デンソーが車載LiDARから手を引きました。小糸だけが開発を継続していることに対し、ネット上では巨額投資のサンクコストで撤退が出来なくなっているのではと危惧する声が散見されています
小糸は開発規模を縮小することでLiDAR事業の赤字幅が減少し、利益見通しが上振れするとの予想を示しました。LiDAR事業に期待していた向きには悲報ですが、LiDRA事業の停滞に苛立っていた向きには朗報であったに違いありません
ここでは迷走するLiDAR開発の経緯と、浮かび上がる疑問や問題点を深堀りします
LiDAR開発の推移
LiDARとは赤外光で対象物の位置と距離を計測するセンサを示す ”Light Detction and Ranging” の略称です。車載用途では自動運転やADAS(Advanced Driver Assistance Systems)の目として使用されます
LiDARの名前は2012年、Googleが公開した自動運転の実証実験で広く知られるようになりました。ルーフに装着したLiDARだけで公道を自律走行する姿は業界に衝撃を与え、「LiDAR=自動運転」と認識されるようになります

Google自動運転実験車、ルーフにベロダインLiDARを搭載
LiDARは夜間でも使えることから「未来の自動運転車は前照灯が不要になる」と連想する人も増えていきました。前照灯が主力製品の小糸はLiDARを自社製品に取り込むべく、前照灯にLiDARを搭載する開発に乗り出します
■ 2017年~2019年 LiDAR内蔵・前照灯コンセプト
小糸は2017年にソリッドステート式LiDARを開発する米国クアナジーシステム社と協業し、LiDARを内蔵した前照灯コンセプトを製作します。単なるデザインコンセプトでしたが、翌年に前照灯が点灯可能なコンセプトを出品しています

クアナジーLiDARを内蔵する前照灯コンセプト、黒筒部がLiDAR 2017年
2018年にMMT式LiDARの米国CEPTON社と提携、2019年にMEMSミラー式LiDARを開発中のドイツ・ブリックフェルド社と共同検討を開始し、コンセプトモデルを出展します。この時期は前照灯に内蔵可能な小型LiDARを開発するスタートアップを探索していたようです

ブリックフェルドLiDARを内蔵する前照灯コンセプト 2019年
2020年以降は小型化に優れたMMT-LiDARを有するCEPTONとの提携を強化していきます。小糸は2020年と2021年に計1億ドルを出資し、LiDARの開発リーダーである勝田隆之氏がCEPTONの取締役に就任しています

CEPTON短距離LiDAR・NOVAコンセプト、手のひらに収まる極小サイズ
■ 2020年~2022年 GMからの大型受注、車室内搭載の中距離LiDAR
CEPTONは2021年7月、GMから2023年モデル以降・複数車種の大型受注を獲得し、小糸が生産を独占すると発表しました。CEPTONのMMT-LiDARはGMの上位ADAS ”Ultra₋Cruise”のセンサーとしてフロントウィンドウ内側に搭載されることになります
CEPTONは大型受注と小糸とのパートナーシップを足掛かりに、2022年のNASDAQ上場を目指します。2021年8月にSECへ提出した上場前資料に、上場5年後の2027年に売上が10億ドルを超えると記載されいます。これを基に2022年2月11日から時価総額・約14億ドルで取引が開始されます
CEPTON売上予想、2021年SEC提出資料
2021年 0.02 億ドル
2022年 0.15 億ドル
2023年 0.6 億ドル
2024年 2.5 億ドル
2025年 5.8 億ドル
2026年 9.7 億ドル
2027年 15 億ドル
上場から数日遅れて開催されたオープニングベルセレモニーでは株価が急騰するなど、小糸とCEPTONのLiDAR開発は順調に推移していくかのように思われました

NASDAQ、CEPTON・オープニングベルセレモニー
中央 CEPTON・Jun Pei CEO 2022年2月17日
■ 2022年2月 CEPTON上場前、投資家の離反
華々しい上場の裏で、スタートアップの投資家は事前に資金を引き揚げていました。この時にCEPTONが利用したSPACという上場スキームと投資家の判断について少し説明します
SPACとは事業を持たない『空箱』の企業を先に上場させ、その企業が2年程度以内に未上場スタートアップと合併することで、相手企業を実質的に上場させるスキームのことです。スタートアップ企業は面倒な上場手続きを『空箱』企業に任せることで、開発に専念しながら上場を目指すことができます
『空箱』企業は事前に投資家から資金を集め、スタートアップと合併後は投資家に株式を割り当てます。投資家は合併するスタートアップが気に入らなければ、利息付きで資金を引き揚げることができます。これを償還といいます

CEPTONはSPAC企業 Growth‐Capital と合併してNASDAQに上場
CEPTONが合併先に選んだ『空箱』企業は事前に約1.72億ドルを集めていましたが、投資家はCEPTON株よりも償還を選びました。90%超の資金が償還されてしまった結果、CEPTONは小糸のPIPE出資0.5億ドルを含む約0.6億ドル(手数料等支払後)しか得られなかったとみられます
他のLiDARスタートアップは2020年~2021年にSPAC上場していますが、Velodyne、Luminar、AEVA、Ouster、Innoviz のいずれも償還率は数%未満に留まり、3億~6億ドルの資金調達に成功しています
CEPTONの償還率90%は、先行上場したLiDARスタートアップの株価低迷の煽りを受けたという意見もありますが、翌2023年に上場したHesai は通常IPOで1.5億ドルの資金を調達しています。投資家は個々の企業の実力を冷静に分析していました
資金調達の当てが外れたCEPTONは、上場後すぐに資金不足に陥ることになります
■ 2022年~2024年 CEPTON株価下落、受注キャンセル、上場廃止
CEPTONの株価は上場直後の急騰以降は下落一辺倒になりました。小糸は資金不足のCEPTONに対して2023年1月に1億ドルで株式を追加取得しますが、上場維持最低基準の1ドルさえ下回るようになります
2023年9月の株式併合で株価を引き上げて上場廃止を回避しますが株価は更に下落します。小糸は2024年5月に株式評価損101億円を計上することになります

CEPTON株価、ピークは2022年2月17日の$80.16、上場廃止時 $0.325
(2023年9月、10:1 株式併合)
肝心のGM向けLiDARの生産は予定の2023年を過ぎても始まりません。GMは2023年後半に”Ultra-Cruie” の開発計画を見直し、LiDARを使用しない “Super-Crure” に注力する方針を固めていました。後にGMの大型受注はキャンセルされたことが明らかになります
2023年12月11日、CEPTON・SEC報告、小糸の発注キャンセル
大型受注キャンセルでCEPTONの資金繰りは苦しくなります。小糸はCEPTONを救済する形で2024年7月に子会社化を決議、株式を3.17ドル(プレミア約25%)で公開買い付けし、2025年1月にCEPTONは上場廃止になります

GM車へ搭載予定だったと思われる中距離LiDAR
CEPTONはGM受注を喧伝していたにも関わらず株価は地を這うように低迷し、受注キャンセルが明らかになっても株価は大きく変動しませんでした。投資家は受注キャンセルを最初から織り込んでいたのか、受注そのものを眉唾と判断していたようです
■ 2024年~2026年 短距離LiDAR受注とキャンセル
GM案件が暗礁に乗り上げた後、小糸は2024年4月にグローバルOEM・自動運転レベル4の短距離LiDAR受注を表明します。2024年12月の日刊工業新聞では加藤社長が、2030年度までにLiDAR売上500億円を目標として掲げ、LiDAR量産ラインを30億~40億円で新設予定とコメントしています

自動運転レベル4向け・短距離LiDAR
しかし2026年3月期の決算説明では、短距離LiDARの受注キャンセルと乗用車向けLiDARの開発中止を表明し、143億円の特別損失を計上することになります。開発体制は大幅に縮小し、過去の設備投資分は減損で整理する方針を示しました
受注キャンセルは珍しいことではありませんが、サプライヤーが受注を公表した案件が2回もキャンセルされることは異例です。受注の公表は株価に影響を与える為、量産移行の確度が高い案件と判断していたと考えられますが、言行不一致を強く印象づける結果になりました
尚、GMからの受注キャンセルはGM都合の為、開発費はGMから回収されています。しかし今回のキャンセルに関しては開発費回収の話がどこにも見当たらず、OEM側の都合では無く、小糸側にも何か問題があった可能性を否定できません
決算説明の直前に発表された役員人事では、LiDARの開発リーダーである技術本部長の勝田隆之・専務取締役が、期半ばに航空機器事業部副事業部長・執行役員へと異動降格していたことが明らかになりました。異例の人事により開発規模の縮小と体制刷新が行われたようです
■ 2026年~ インフラ事業向けLiDAR開発
小糸は今後のLiDAR開発について、インフラ事業向けを継続するとしています。2025年10月に移動体検知システム・イルミエルの販売開始と、ホンダ自動芝刈り機への採用決定、JAXAと月面探査車用LiDARの共同研究契約締結など、新市場への布石を打っています

ホンダの電動自動芝刈り機「ProZision Autonomous」 LiDAR4基 搭載

人や車、モノの移動を監視する汎用センサー「イルミエル」
小糸のLiDAR開発を「ランプ屋の無謀な挑戦」とする冷めた見方もありますが、小糸は過去に多くの赤外光機器を開発し、車載レーザーレーダーをOEMへ納入した実績のある企業です。LiDARの開発能力が不足していたとは思えず、CEPTONの技術の方に問題が潜んでいたように感じます
次は小糸製作所が手掛けた赤外光機器の歴史にスコープを当てます
小糸製作所・赤外光機器の歴史
小糸は1915年の鉄道標識灯用フレネルレンズの販売を祖業とし、以降は鉄道照明や屋外照明を経て、現在は自動車照明機器の製造販売を主業とする企業です。赤外光機器の開発の歴史も古く、戦時中は軍の要請により赤外光暗視装置や熱線標定装置等の開発を手掛けていました

熱線標定装置(反射鏡径1.5m)、遠方の航空機や船舶の輻射熱を探索
戦後は赤外光センサを使用すた自動警報機や、駐車場の車の出入りを自動監視するガレージ管制装置などの製品を開発して市場投入しています

赤外線自動警報機「インフラム」の広告 1951年

駐車場の車両出入りを監視 「ガレージ監視装置」 1962年

小糸工業・家庭用自動警報器「ハウスレーダー」 1968年
1990年代以降も赤外線機器の開発を継続していましたが、エレクトロニクスの高度化と競争激化により、業績に貢献できる製品を上市することが次第に難しくなっていきます

小糸工業・赤外LEDを利用した「光空間伝送装置」 1991年
車載分野では追突を未然防止する車間距離警報装置のニーズが高まり、小糸は赤外光レーザを使用したレーザレーダの開発に取り組みます。赤外光レーザーをパルス照射して反射して戻ってくるまでの時間から距離を計測し、路肩のデリニエータを判別する機能も備えていました
原理的には現在のLiDARとほぼ同じ技術を使用し、開発した「赤外レーザー式・車間距離計測装置」は1993年の日野トラック・プロフィアにオプション採用されています

日野自動車・スーパドルフィン プロフィア 1993年
小糸のレーザーレーダは鉱山等で稼働する自動運転ダンプや、農薬散布用のラジコンヘリ等に採用されています。その後の赤外機器の開発は一旦途絶えますが、LiDARを開発する能力を備えていることを示す実績でした
CEPTON・技術と問題点
CEPTONはベロダイン・エンジニアのJun Pei氏とMarc MaCord氏が、2016年に米国シリコンバレーで創業したLiDARスタートアップです

CEPTON本社、カリフォルニア州サンノゼ
CEPTONは電磁コイルを用いた特殊なスキャン機構を開発し、MMT(Micro-Motion-Technology)と名付けています。赤外レーザーの発光部と受光部を電磁コイルで上下左右に高速揺動し、赤外レーザーのスキャン範囲を広げます

MMT-LiDARのスキャン原理
MMTは回転ミラーなどのスキャン部品を必要としない為、耐久性が高く小型安価を実現できると謳っていました。説明資料では他社LiDARに対する性能、コスト、量産性で優位を示していましたが、結果的に他社LiDARの後塵を拝したことから何か隠れた弱点があったと思われます
■ MMTの高速揺動スキャンが招く振動問題
CEPTONの特許からMMT-LiDARを分析すると、電磁コイルによる揺動が弱点になっていた可能性が浮かび上がります。揺動部のサイズは大きく、振幅は1mm前後と推定され、周期は約200Hzと記載されているので大きな振動と可聴音の発生が避けられない構造です

MMT-LiDAR内部構造、レンズ周囲の ”コの字” 部分が揺動
特許には振動を抑制するカウンターバランサーが示されていますが、リサージュスキャンの複雑なモーメント振動を抑制できる構造ではありません。ノイズや振動の対策で苦労したことのあるエンジニアであれば、一目で身構える技術であることは間違いありません

MMT-LiDAR 水平断面、赤色がカウンターバランサー(反対方向に揺動)
一般に車室内へ搭載する機器は30db未満かそれ以下の静粛性を求められます。MMTと似た駆動方式の電動歯ブラシは静音タイプでも35db程度が限度ですから、それよりも巨大な揺動部を持つMMT-LiDARを車室内に搭載した小糸の技術力には驚くほかありません

小糸特許・MMT-LiDAR取付部、赤枠がダンパー材
実際は市場に出ていないので実機を確認できませんが、振動対策により性能やサイズ、コスト等が犠牲になった可能性は有りそうです。振動を克服した中距離LiDRAがその後も売れず、手のひらサイズだった短距離LiDAR・NOVAが約2倍のサイズに巨大化しているからです

右端が短距離LiDAR・NOVA、サイズは当初比2倍に拡大
■ MMTの後継技術、MagnoSteer
CEPTONは2024年1月、MMTの後継技術となるMagnoSteerを公開しました。電磁コイルで大型ミラーを揺動してレーザーを広範囲にスキャンする技術であり、MMTとは異なりスキャン部品が必要になりますが、揺動部が限定されているので振動はMMTよりも減りそうです

MagnoSteer・磁気式揺動ミラー
MagnoSteerは揺動ミラーの回転モーメントが振動成分として残りますが、他社のポリゴンミラー式と比べて有効ミラー面積が広く取れる為、LiDAR性能では優位性を得られそうです
小糸は長距離LiDARにMagnoSteerを採用し、2024年12月の日刊工業新聞ではOEMから長距離LiDARに引き合いがあることを明かしています。2025年1月の日本経済新聞では2027年から長距離LiDARを量産開始と報じられていましたが、こちらも残念ながら量産には至らなかったようです

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC261BK0W4A221C2000000/
MagnoSteerを採用した長距離LiDAR 上下サイズ 25㎜
現時点で唯一採用されている車種はホンダの ”電動自動芝刈り機” だけです。そして今後はインフラ向けに注力するとしています。いずれも振動や音を気にしない用途であり、それが隠れた制約条件なのでしょう

DENSOは一足早く産業向けLiDAR「LiDsEYE」を発表 2025年
不思議なことに小糸は結果を出さないCEPTONの技術を高く評価し続けました。しかしOEMの反応を見れば、CEPTONの技術が劣後していたことは明らかです。小糸の主要取引先であるトヨタ自動車が、LSとMIRAIにデンソーとコンチネンタルのLiDARを採用し、bZ3/bZ3XにHesaiとRoboSenseのLiDARを採用している事実は見過ごせません

トヨタ bZ3/bZ3X、グレード別に Hesai と RoboSense のLiDARを使用
CEPTONは最終的に小糸に買収されました。小糸はシナジー強化を強調していましたが、決算説明で実質的に失敗を認めたことから、巨額投資を分散処理する為の時間稼ぎという意味合いが強かったようです
LiDAR開発では実績を残せなかったCEPTONですが、スタートアップの世界では成功企業と位置付けられているのは皮肉なことです。グローバルサプライヤーから技術力を評価され、数億ドルもの巨額資金を引き出して最後は買収されるという成功ストーリーを歩んだからです
最後に
小糸のLiDAR開発の経緯を一覧でまとめます
2017年 1月:クアナジーとLiDAR内蔵ヘッドランプ概念設計で協業を開始
2017年 9月:CEATECでLiDAR内蔵ヘッドランプコンセプトを展示
2017年12月:2018CESでLiDAR内蔵ランプコンセプトを展示
2018年12月:2019CESでLiDAR内蔵ランプコンセプトを展示
2019年 5月:ブリックフェルド社とランプ内蔵に向けたLiDARの共同検討を開始
2019年10月:東京モーターショーにLiDAR内蔵ヘッドランプコンセプトを展示
2019年12月:2020CESでLiDARセンサモジュールを展示
2020年 2月:CEPTONの株式を50万ドルで取得
2020年12月:2021CESでLiDARセンサモジュールをオンライン展示
2021年 8月:CEPTONの株式を50万ドルで追加取得(SPAC上場、PIPE出資)
2022年 6月:CEPTONとの協業関係強化
2022年 8月:CEPTONの株式取得に関する意向表明書提出
2022年10月:CEPTONの株式追加取得の決定
2023年 1月:CEPTONの株式を100万ドルで追加取得
2023年 5月:人とくるまのテクノロジー展にCEPTON-LiDARを展示
2023年10月:民生用途の移動体検知システム「イルミエル(ILLUMIERE)」を開発
2023年10月:ジャパンモビリティショーに短/中/長距離LiDAR、イルミエルを展示
2023年12月:CEPTONの子会社化に向けた株式取得交渉を開始
2023年12月:2024CESに短/中/長距離LiDAR、イルミエルを展示
2024年 4月:グローバルOEMから自動運転レベル4向け短距離LiDARを受注
2024年 5月:2024年3月期決算、セプトン投資有価証券評価損101億円を計上
2024年 5月:人とくるまのテクノロジー展に短/中/長距離LiDAR、イルミエル等を展示
2024年 7月:CEPTONの子会社化を決議
2024年12月:2025CESに短/中/長距離LiDAR、イルミエルを展示
2025年 1月:CEPTONを子会社化
2025年 5月:2025年3月期決算、為替によるCEPTON有価証券上昇で38億円利益計上
2025年 7月:三菱ふそうトラック・バスの製造工場でイルミエルの実証実験を開始
2025年10月:ホンダ電動自動芝刈り機に短距離検知LiDARが採用決定
2025年10月:ジャパンモビリティショーに短/中/長距離LiDAR、イルミエル等を展示
2025年10月:JAXAと月面探査用ローバー向けLiDAR概念設計の共同研究契約締結
2025年12月:2026CESに短/中/長距離LiDAR、イルミエルを展示
2026年 5月:2026年3月期決算説明でLiDAR開発体制の縮小、143億円の減損計上
この10年間で多くのLiDARメーカーが経営破綻し、安価な中国製LiDARが市場を席捲していく中で、小糸が今後もLiDAR開発を継続することが出来るのは、健全な財務で支えられているからです
一方で小糸の株価は伸び悩んでいます。主力商品のLED前照灯は競争激化で利益率が低下し、LiDAR事業への市場の反応は大きくありません。総額1,000億円超の自社株買いで株価を支えていますが、2024年8月にMSCI・ACWI銘柄から除外され、時価総額は売上1/3の中国・常州星宇に追いつかれています
車載照明機器は法規制に守られた寡占市場であるが故、そこから新しい一歩を踏み出すことは他のティア1よりも難しいに違いありません。そして小糸の現経営陣の経歴を見ると、技術に敏い人物が見当たらず、これではスタートアップの良し悪しを自ら判断することは出来ないでしょう
競合のスタンレー電気や勢いのある中国メーカーの多くは技術者達がトップで辣腕を振っています。小糸がかつての勢いを取り戻すには、技術の目端が利く人材の育成や外部からCTO招聘などのテコ入れが必要に思います
