「デリニエータ」が眩しい理由は、ヘッドライトとアイポイントが近いから

ライティング

 道路脇に設置されている丸い反射板をデリニエータ、又は視線誘導標と言います。夜間にヘッドライトの光を反射して道路形状を教えてくれる安全設備です。製造メーカーはこちら(日本視線誘導標協会)を参照ください。

 デリニエータは再帰反射性が強く、ロービームの弱い上方グレアでも反射光をしっかりドライバーに返し、道路線形を視認し易くしてくれる反面、ハイビーム時は反射光が明るすぎて、眩しく感じてしまうことがあります。

Source ; 2016VDI OTFT Bauer

  左: 昼間の反射材の見え方             右: 夜間の反射材の見え方

 デリニエータの再帰反射率は法規で下限値が定められています。実製品はそれよりも余裕を持たせた設計となっているので積水樹脂製品の性能値(白色Φ70mm、積水樹脂HPより)と併せて表に示します。反射角とはデリニエータ入射光に対する反射光の角度です。反射角が0.2°の場合と1.5°の場合を比較すると、積水樹脂の製品値では明るさが80倍以上も変化することが分かります。

  反射角   法規の下限値 積水樹脂 製品値
0.2°35102
0.5°1725.2
1.5°0.551.21
単位: cd/10.63Lux

Φ70mmデリニエータ・再帰反射性能表

 ライトで照らされたデリニエータからの反射光の明るさを試算するには、反射角を計算する必要があり、ライトとアイポイントの位置関係が重要になります。スポーツカーや小型車の場合は、ライトとアイポイントが近いことが多く、デリニエータの再帰反射光が強くなる傾向があります。

 一方、大型トラックは、ライトとアイポイントが離れているので、デリニエータからの再帰反射光は弱くなる傾向があります。積水樹脂製品の性能値を引用すれば、同じヘッドライトを使用したと仮定しても、大型トラックのドライバーが感じるデリニエータの明るさは、小型車のドライバーが感じる明るさの約1/20しかありません。

上段: 小型車       下段: 大型トラック 

 更に考察すると、左右のヘッドライト位置とアイポイントの関係もデリニエータの明るさに影響します。ホンダの小型車FITの場合、運転席側ライトとアイポイントの距離は0.55mしか離れていませんが、助手席側ヘッドライトとアイポイントの距離は1.1mで約2倍離れています。

 FIT運転時、100m先にデリニエータがあると想定して計算すると、運転席側ライトの再帰反射光は、助手席側ライトによる再帰反射光に対して約10倍の光度になります。

ホンダFITの正面視における、ライトとアイポイントの距離

 つまり、皆さんが夜間運転中に「デリニエータが眩しい!」と思われたら、その眩しさの大半は運転席側ライトの反射光によるものです。同様に助手席の人も同じくらいの眩しさを感じており、その眩しさの大半は助手席側ライトの反射光によるものなのです。

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