1899年、米国オハイオ州で白熱ランプ事業を手掛けていた パッカード兄弟 が創業したのが、今は無き名門高級車メーカー ”Packard社”
トヨタ博物館所蔵の Packard Twelve はルーズベルト大統領専用車であったことから分かるように、当時はキャディラックをも凌ぐ高級車だった
トヨタ博物館 Packard Twelve 大統領専用車 防弾仕様で約3.5トン!
愛好者サイト PackardClub によれば、歴代のPackard車はステアリングホイールなど世界初の技術を数多く搭載し、灯具類についても幾つかの ”世界初” が記載されている
・1927年 世界初のバックアップランプ
・1939年 世界初のシールドビーム ヘッドライト
1939年の世界初シールドビームに関しては、同年にキャディラック・モデル60にも搭載されており、そちらを世界初とする声が多い
Packard Twelve が発売された1933年は、Wikipedia Headlamp によれば、Packard が、3種類の配光を1つのバルブで切替え可能な ”Tri-Beam” を搭載したとされる
Packard、Tri-Beamの配光3種
・郊外走行ビーム
・郊外すれ違いビーム
・市街地ビームの
1930年代には多くのクルマがダブルフィラメント式のハイビームとロービームを備えていたので、Packard Twelve は ”Tri-Beam” を搭載することで、高級車としての威厳を保ったのであろう
尚、Packard Twelve 以降の Tri-Beam については、1949年 ジャガーXK120がLucus製のTri-Beam headlightsを搭載するなど複数車種に搭載されたようである。
その後は法規改定でハイビームとロービーム以外は認められなくなり、Tri-Beamは姿を消す
1949 Jaguar XK120 Alloy , Lucas tri-beam headlamps, and auxiliary spotlights